シロアリ薬剤の安全性や効果、価格を比較してもあまり意味がない|岐阜、愛知
最近のシロアリ業者が自社のサイト等で『当社の薬剤は安全です』と主張しているのを見かけますが、安全なのは当然なのです。
不安全な薬剤は、そもそもが『販売されてない』わけですから。
業者の手元にあるということは、販売許可が下りているということ。
販売許可が下りているということは、安全ということ。
一部、有効成分に『普通物』ではなく『劇物』を使用している場合もありますが、それは成分の含有率を調整してますから、やはり安全なのです。
不安全な不認可の薬剤を入手する方が困難ですし(そのような物があるのか分かりませんが)、一般に販売されている安全な薬剤は、価格も十分安いですから、コスト面でも安全的にも、それを使わない理由はありません。
よって『当社の薬剤』が安全なのはどの業者も同じく当たり前なのです。
(安全性、効果、価格において大差は無い、という理解でOKです)
そして問題なのは、実は成分ではありません、使い方です。
シロアリ薬剤の安全性で問題なのは使い方
最近のシロアリ業界の主流は『床下に大量の薬剤をばら撒け』です。
これはしろあり対策協会(以下、白対協)の施工仕様書(作業手順書のようなもの)に端を発するのですが、白対協が発足した当時(数十年前)、シロアリの駆除に関して、業者によって大きな技能の差がありました。
優秀な業者は、シロアリの生態をしっかり理解し、シロアリの種別、お家の構造や地域性、薬剤の特性や効果を踏まえて、シロアリを適切に駆除することができていました。
しかしそうでない業者は、いくらやっても中々うまくいきませんでした。
そして協会は、そのような優秀でない業者でも何とか駆除できるように、『大量の薬剤をまけ』という残念な手段を取るところに落ち着いて、現在に至っています。
このような歴史の変遷は、普通のシロアリ業者は基本的に知りません。
大量にまけば、何となくシロアリの予防はできそうな気がしますが、実はそうではありません。
大量にまいてもシロアリに侵入されたケースは結構ありますし、何よりお家の木材や建具へのダメージとお住まいになっている方(小さいお子さん、敏感な体質の方、ペットなど)へのダメージが心配です。
そして『大量』とは具体的にどれくらいの量だと思われますか?
20坪前後の普通のお宅ですと、約200リットル=お風呂一杯分もの水で薄めた薬剤をばら撒かれます。
(現在主流の薬剤は、100倍程度のお水で希釈するタイプです。よって『ほぼお水』です)
それだけ大量の『ほぼお水』を床下のような通期の悪い所にまかれると、それが長期間かけて蒸発し続けますので、床下の木部などには長い目で見れば非常にダメージですし、お家によっては、その大量の湿気によって床下や柱、壁などに影響を与え『シックハウス』のような症状が出るお宅も稀にあります。
そもそも本来薬剤というのは、補助的に使うものであって、基本は
シロアリの生態を加味し、シロアリの種別、お家の構造や地域性を踏まえて点検することです。
それがお家に優しく、人に優しく、お財布にも優しい、真の技術者の仕事です。
ということでタイトルに戻りますが、シロアリ薬剤の本当の安全性は『使い方』が肝要というわけです。