シロアリが出てないなら何もしない(薬剤などをまかない) という考え方もありますが、結論的には「点検」だけは最低限必要です。と言えます。
シロアリの影も形も見かけずとも、漠然とした不安から、「保険をかけておこう」くらいの
認識で、5年ごとに予防工事を依頼する、というのが、一般的なシロアリ業者が消費者に仕向けたいことです。
シロアリという昆虫、とくにヤマトシロアリは弱い生き物で、建物の建設にともなう環境変化だけでかなりのものが死滅します。
仮にシロアリがいたとするなら、それはごくごく運のいい集団が偶然に生き抜いたもので、敷地の5年間あまりの一つの結論として生きているわけです。
特に、新築やリフォーム直後2~5年は環境変化に対応してすべての生き物が大きく動き、シロアリも爆発的な繁殖をすることがあります。
シロアリたちは土の中の諸要素(微生物や温度、phなど)の微妙なバランスに適応し、体質もそのように変化させているので、例えばよその床下にいたシロアリを持ち帰って自宅の土で飼育しようしても、よほど工夫しないと死滅します。
したがって、例えば新築5年後にシロアリが見られないなら、それ以降はそれほど大きな動きはないので、3年毎の点検で十分対応できます。
特にベタ基礎はそれ自体が形状として防蟻性能があるので、床下内部へは一般的には侵入されません。
点検の重点は、ベタ基礎周縁部、つまり、玄関ポーチ(後付け)や勝手口ステップの接合部や土間まわり、ウッドデッキの接合部、配管などベタ基礎貫通部などです。
点検をすれば、仮に被害がでても、簡単な補修ですみますし、小さな被害で駆除すれば、薬剤が消えても、基本的にそこにはもうシロアリは来ません。
駆除は予防でもあります。
逆に、いない所に薬剤を撒いても、シロアリにはなんの影響もないのです。
しかし居ないかどうか、は点検してみないと分かりませんので、冒頭のとおり「点検」だけは必要、と言えます。